ドイツで稽留流産、掻爬手術

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わたくし、ドイツで出産もしましたが、実は繋留流産も経験しています。
書くことでは無いかなー、とも思ったのですが、流産の確率は全妊娠のうち10~15%、その中でも稽留流産は、6人に1人という話を聞いて、となると、残念な話ではありますが、もしかしたら他にもドイツで経験される方がいるかもしれない思い、ドイツでの稽留流産(特に掻爬手術)がどうだったかをまとめています。

※検診時、手術前、手術後、心が痛む事は多々ありましたが、どういう手順だったかをお伝えするための記事にしたいので、敢えて淡々と書いています。

 

稽留流産とは

まず、稽留流産とはなんぞや、という点から。
このページにたどり着いた方は既にご存知だと思いますので簡単な説明になりますが、胎児が子宮の中で死んでしまった状態。
妊娠6~7週間目になっても、胎児が確認できない、胎児は確認できたが心拍が確認できない、一度心拍が確認できたがその後に止まってしまったなど妊娠初期に起こりやすいのが特徴。
自覚症状がないため、診察で判明する事が殆ど。
自然に外に出てくるのを待つこともあるが、強い腹痛と大量の出血をともなう為、一般的には子宮内の胎児や組織を取り除く手術(掻爬手術)が必要になります。
 

稽留流産が決定するまで

実は始まりから色々変ではありました。

ある時からつわりの様な感じが出てきて、おかしいな~と思いつつ、妊娠を直感的に感じたのは、ある日ベッドから起き上がった時にクラっと目眩があり、貧血気味だと医者に言われてはいるものの普段目眩なんてないので、あれ?おかしいなと思いトイレに行ったら軽い不正出血。
これは?と思い妊娠検査薬(2本入り)を買ってきて試したら高速でクッキリ陽性。
その時点でクリニックの診察予約を1週間後に入れたのですが、念のため診察日の朝にも試して同じく高速クッキリ陽性。

初診

クリニックにて、経膣超音波検査を受けたところ、胎嚢も胎児も無事確認。
不正出血の話も伝え、念のため色々検査もしてもらい、結果問題ないと言われる。
ただ、週数が5週4日で胎児の心拍もまだ確認出来ないため、3週間後にまた来てくれと言われる。
この日、胎児の大きさ4mm。

3週間後クリニックへ

経膣超音波検査を受けるも、胎児の大きさが8mm。
3週間経っているにしては育っていない。
育つのが遅いだけなのか何か問題があるのか、まだ確定はできないので、さらに1週間様子をみることに。

さらに1週間後クリニックへ

経膣超音波検査を受けるも、胎児の大きさが1週間前と同じ8mm。
心拍も確認できず。
この日、稽留流産との告知を受ける。

出産もそうですが、ドイツでは診察するところ(クリニック)と出産や手術をするところ(病院)は分かれているので、その後は病院にお願いすることになり、クリニックから直接病院に、2日後に予約を取ってもらいました。

稽留流産と判断されるまでは日数を費やしていましたが、判断されてからは進むスピードが早かったです。
亡くなっている事が分かった以上、お腹の中に長く残しておくのはよろしくないからかと。

2日後、病院で検査

病院は出産も経験したヴュルツブルク大学病院。
病院でも再度、尿検査、内診、経膣超音波検査を受けるも、やはり心拍が確認できず。
更に念入りに、最後にはボス(責任者というべきか)が出てきて、もう一度、経膣超音波検査をしてくれたものの、結果は同じ。
稽留流産が決定的なものに。

結果的には、合計3人(クリニックの医師1人、病院の医師2人)に確認してもらった事になり、念には念をいれて確認してくれた事に、結果は残念だったにしろ感謝しています。

病院での説明で、このまま自然に進行流産を待つこともできるし、手術することもできる。
ただ、進行流産は大量出血と腹痛があるので、しかもいつ来るか分からない為、ビックリするかもしれないとのこと。

私は手術と決めていたので、迷うこと無く手術をお願いすることに。
手術はその日から2日後に決定。
クリニックで稽留流産と言われてから4日目で手術、早いです。
 

手術の手順、痛みは

稽留流産を受ける事になった場合、一番気になるのは「掻爬手術の痛み」ではないでしょうか。

私も手術前に色々気になってネットで手術の手順を調べました(日本の情報)。
稽留流産の掻爬手術は、大きく分けて「子宮頚部の拡張」と「子宮内容掻爬手術(子宮に残った胎児などを取り出す)」の2つの手順があって、痛みを感じるとすると前者の「子宮頚部の拡張」だったという意見をいくつか見ました。

なので、手術の説明を受けた時に、「子宮を広げる処置は痛いですか?」と医師に聞いたのですが、返ってきた答えが、(呼吸器を口にあてる仕草をしながら)「眠った状態だから痛みは感じないですよ」でした。

また、口頭での説明でも書面での説明書でも、「広げる」という表現ではなく「柔らかくする(weich)」という表現になっている事に気が付きました。

日本の情報では、子宮頚部を広げるために、棒状のものを入れ、それから12時間待つ、場合によっては手術の前日にそれを行なう必要があり、それが痛い(場合がある)と書かれていましたが、ドイツでは座薬を膣内に入れ子宮頚部を柔らかくするのだそうです。

と、グダグダ書いていても仕方がないので、実際の手術の様子をお伝えします。

当日、手術までの手順
  • 術着に着替える(結婚指輪、ピアスなど全てのアクセサリー類、下着も全て外す)、圧迫靴下を履く(病院支給)
    トイレに行くならこの時点かな
  • タブレットを少量の水で服用(←子宮頚部を柔らかくする)
    ※麻酔の問題があるので、本来手術の2時間前に水分接種はダメ(食物は6時間前からダメ)なので、できるだけ少量で
  • 看護師さんに膣内にタブレット挿入される(←子宮頚部を柔らかくする)
  • ベッドのまま手術室へ運ばれる
  • 点滴挿入
  • 呼吸器(麻酔)を口にあてられて意識失う
  • 気づいたら終わっていた

結果、全く痛くありませんでした
何が一番痛かったのか強いて言うなら、点滴の針を手に指す時ぐらいでした。

術後は4時間ベッドの上で安静にした後、普通に帰宅(日帰り)。
ただ、出血はしているので、大きなナプキンをあてているのが気にはなりますが。

以上、手術は何も問題なくあっけなく終了。

ドイツの病院は(も)凄く待たされる?

難点を言えば、手術まですご~~~く待たされました。

「朝7:00に来てね」と言われて行ってみれば、部屋に案内されるも何も進む気配なし。
同室にイスラム教(と思われる)女性もいたので、遠慮して部屋には入らず廊下で時間を潰す(私の夫(彼女からすると他人の男性)を嫌がると思ったので)。
さすがに2時間経ったところでロバートが看護師に聞くと、なんやかやで12:00に手術の準備を始めますとのこと。

ちなみにイスラム教の女性は違う日に予約を変更させられていた。
彼女の旦那さんも来て「仕事も休まなければいけないし子供も3人いて変更させられるのは困る」様な事を訴えていたのですが、ご想像通り病院側に押し切られる形で帰っていきました(同情します…)。

理由はハッキリとは言わなかったらしいのですが、ロバート曰く「超未熟児が産まれたみたいで、医師が集まって大騒ぎしていた」とのことで、おそらく、私の手術担当の医師もそちらに付いていたのだと思われます。

いやさ、その理由は分かるよ、分かるしその理由に文句なんて無いですよ、ただ、それならもっと早く「12:00からになりました」と言ってくれないかね。
私たちは、ぐずる1歳の娘を連れて廊下で待ってるのであって(しかもそれを何度も目にしているのに)。

結局ロバートは娘を連れて一旦帰宅&12:00前に再来院。
そして手術の開始から終了までロバートは娘を連れて待っていてくれたのですが、術後4時間はベッドで安静にしなくてはならないので、帰宅できるのは19:00。
またまたロバートは娘を連れて一旦帰宅&19:00前に再来院。
結局、手術は30分くらいで終わるものの、来院から退院までは1日がかりでした。

日本でも病院は待ち時間が長いとは言うけれど、スケジュールがズレたなら勿論知らせてくれますよね?
この辺りがドイツらしいというか、ドイツでは何でもこちらから尋ねないといけないのでしょうか。
 

費用

かかった費用は、たった10€。
手術後に請求書の様なものが郵送されてくるので、その通りに病院へ振り込みました。
明細は手術と日帰り入院費で、クリニックに通った分は保険で賄われます。
出産でも書きましたが、ドイツすごー。
 

後日談、あとがき、ひとりごと

帰宅後も痛みは全くなく、でも念のため2日くらいは掃除などはせずゆっくりしていました。
術後2週間ほどで出血もおさまり(というか、私はもともとそんなにドバーッとは出なかった)、3週間後に術後チェックをしてもらいに(病院ではなく)もとのクリニックに行き、特に問題は見つからず全てが終了しました(「終了」と書くと悲しいけれど)。
そして手術からピッタリ4週間後には生理が再開。

ちなみに術着(手術を受ける時に着るもの)、膝下丈で腰のところと肩あたりに結ぶ紐が付いているものなのですが、着物に慣れている我々日本人としては、紐を前で結んでいたのですが逆だったようで、これ結び目が後ろにくるように着るんですね。
スタッフに「あなた逆よ~(笑)」と直されて私も笑ってしまって、手術前の緊張が少し和らいだひとときでした。

あと、私が通っている婦人科クリニックも病院も、スタッフはほぼ女性で、ここぞという時だけに男性医師が登場する感じです。
稽留流産の最終確認で出てきたボスと、おそらく執刀医も男性だったと思われる(手術時は寝ていて分からなかったけど後から報告に来た)。

出産の時もスタッフはほぼ女性、麻酔担当医と帝王切開執刀医だけが男性でした。
特に女医限定で探したわけではないので、どこもそうなんでしょうか。
これは女性には嬉しいですよね。