たかが買物、されど買物。
商品を選んでレジに持って行ってお金を払うだけの買物なら、慣れていなくとも問題ないでしょう。
» そういった、商品を選んでレジに持って行くだけの場合は「スーパーマーケットでの買い物ルール」をご覧ください。
問題なのは対面式での買物。
避けてきたけど、いつまでも避けているわけにはいかない対面式での買物の仕方。
ここらでいっちょまとめようと思います。
対面式の買物で交わす会話の基本
[店員] [お客] 挨拶
- Hallo.(ハロー)
先ず Hallo と挨拶されると思います。
そしたら Hallo と返しましょう。
挨拶は基本中の基本、故意でなくとも言い忘れると嫌ーな顔をされるかもしれません。
自分から先に言うのも勿論OK!
[店員] 何をお探しですか
商品を見ていると、たいてい店員さんが話しかけてきます。
- Was darf es sein?(ヴァス ダーフ エス ザイン)
- Was möchten Sie?(ヴァス メヒテン ズィー)
- Was hätten Sie gerne?(ヴァス ヘッテン ズィー ゲァネ)
- Ja,bitte?(ヤー、ビッテ)
意味的にはどれも「何をお探しですか?」的なニュアンス。
Ja, bitte? は「はいよ?」てな感じでしょうか、いや、さすがにもうちょっと丁寧か…。
[お客] ちょっといいですか?
もし店員が気づいてくれなかったりで、こちらからアクションを起こすのであれば、
- Hallo.(ハロー)
基本中の基本、挨拶で呼んでみる - Können Sie mir bitte helfen?(ケネン ズィー ミア ビッテ ヘルフェン)
お手伝いお願いできますか?、てなニュアンス - Entschuldigung.(エントシュルディグング、私にはエンチューディゴンと聞こえます)
すみませーん、と呼びかけてみる
[お客] ◯◯をください
- Ich hätte gern(gerne でも可)◯◯.(イッヒ ヘッテ ゲァン ◯◯)
◯◯が欲しいです - Ich möchte ◯◯.(イッヒ メヒテ ◯◯)
◯◯が欲しいです - Haben Sie heute ◯◯?(ハーベン ズィー ホイテ ◯◯)
今日◯◯はありますか
極々シンプルに「◯◯ bitte.」でも十分伝わります。
» 個数の言い方についてはこちら。
» 商品の名前が分からない時はこちら。
[店員] 他に何かありますか?
注文した後たいてい、というか、ほぼこれを聞かれます。
始めに全部まとめて注文したとしても聞かれると思います。
- Haben Sie noch einen Wunsch?(ハーベン ズィー ノッホ アイネン ヴンシュ)
- Kommt noch was dazu?(コムト ノッホ ヴァス ダツ)
- Möchten Sie noch etwas?(メヒテン ズィー ノッホ エトヴァズ)
- Darf es noch etwas sein?(ダーフ エス ノッホ エトヴァス ザイン)
- Darf ich Ihnen noch etwas bringen?(ダーフ イッヒ イーネン ノッホ エトヴァズ ブリンゲン)
- Sonst noch etwas?(ゾンスト ノッホ エトヴァズ)
いずれも「他に何かありますか?」の表現なんですが、これがいくつもあるからややこしい。
でも、言われるタイミングと、「noch」や「etwas」が聞こえたらそういうことです。
[お客] いいえ結構です
上記の質問をされて他にも何かあれば伝えればいいですし、無ければ、
- Nein, danke. Das ist alles.
いいえ、結構です。それで全部です。
と答えましょう。
Nein, danke. だけ、もしくは Das ist alles. だけでも十分伝わります。
[お客] いくらですか?
スーパーマーケットなどでは店員さんが値段を言うので、こちらから尋ねることはないと思いますが、市場などで「これとこれとあれで幾ら?」など聞くシーンもあるかと思いますので一応、
- Wie viel kostet das?(ヴィー フィール コステット ダス) これいくらですか?
- Wie viel kosten alles zusammen?(ヴィー フィール コステン アレス ツザメン) 全部でいくらですか?
- Was macht das?(ヴァス マハト ダス) これいくらですか?
3番目の「Was macht das?」は値段を聞いている表現には思えませんが、ドイツ人は普通に使っているそうです(by 語学学校の先生 & 夫)。
但し、あくまでドイツ人が使っている表現であって、外国人がそれを言ってくるとは店員は予測していないだろうから驚かれるかもしれない、と夫。
よって、「Wie viel kostet das?」「Wie viel kosten alles zusammen?」が無難なのかもしれません。
[店員] 値段の言い方
さて、ドイツの数字(値段)の言い方で、1桁ならべつにいいのですが、2桁の場合、日本語や英語とは逆の順序になります。
例えば「21」の場合、英語なら「twenty one」、日本語なら「にじゅういち」のように、2を言ってから1ですよね。
でもドイツ語は1桁目から「ein und zwanzig(アイン ウンド ツヴァンツィヒ)」なんです(直訳すると 1と20 という表現)。
具体例:支払金額が 25.15€ だとすると、「fünf und zwanzig euro fünfzehn(フュンフ ウンド ツヴァンツィヒ オイロ フュンフツェン)」になります。
※注1:上記は分かりやすい様にスペースを空けて書きましたが、正式にはくっつけて「fünfundzwanzig euro fünfzehn」と書きます。
※注2:この例でいくと、15はCent(セント)ですが、25.15€ の様に €(オイロ)が付く場合、わざわざ「セント」まで言わず「fünfundzwanzig euro fünfzehn」で切ります。ただの 15Cent ならセントも付けて言います。
ただ、よく聞き取れなくても、スーパーマーケットだったらレジの電子板(?)にも合計額が出るので、それを見れば大丈夫。
[お客] 小銭がないです
あと、できるだけ細かく小銭も使って払ってあげましょう。
札でも勿論問題ないですが、支払金額が10€以下なのに50€札を出すようなことは出来るだけやめた方がいいです(特にパン屋とか市場とか)。
日本では許されている雰囲気はありますが、ドイツではマナー違反の部類です。
嫌ーな顔をされるか「小銭ないの?」など聞かれると思います。
小銭がなくてどうしようもない場合は、
- Tut mir leid. Ich Habe es leider nicht kleiner.(トゥト ミア ライト. イッヒ ハーベ エス ライダー ニヒト クライナー.)
すみません。小銭が無いんです。
と先に謝っちゃって札で出すといいかと。
[店員] [お客] さようならの挨拶
よくある挨拶として、店員さんが
- Vielen Dank.(フィーレン ダンク)
ありがとうございました - Tschüss!(チュース)
さようなら
と言いますので、同じく「Tschüss!」と返しましょう。
たまに「ciao!(チャオ)」や「Auf Wiedersehen.(アウフ ヴィダ ゼーエン)」と言う場合もありますが、同じ「さようなら」の意味です。
余裕があれば相手が言ったのと同じ言葉で言い返したほうが気持ちいいですが、「Tschüss!」で貫き通しても問題ないと思います。
また、決まり文句として
- Schönen Tag noch!(シューネン ターク ノッホ)
素敵な一日を! -
Schönen Abend!(シューネン アーベント)
素敵な夜を! - Schönes Wochenende!(シューネス ボッホンエンデ)
良い週末を! - Schönen Feiertag!(シューネ ファイアーターク)
良い祝日を! - Schöne Feiertage!(シューネ ファイアーターゲ)
良い連休を!
といった素敵シリーズがあります。
どれも Schönen、Schönes、Schöne が付くのでわかると思います。
そんな時は
- Danke, Ihnen auch!(ダンケ イーネン アオホ)
- Danke gleichfalls!(ダンケ グライヒ ファルス)
ありがとう、あなたも!
と返しましょう。
この素敵シリーズを外国人相手には言わない店員さんもいます。
理解されずに聞き返されるのも面倒だからかなーと思うようにしていますが、ちょっと残念。
店員が言う、その他いろいろ
- Brauchen Sie eine Tüte?(ブラウヘン ズィー アイネ テューテ)
袋いりますか? - Geht's so?(ゲーツ ゾー)
このままでいいですか? - Brauchen Sie die Quittung?(ブラウヘン ズィー ディ クヴィトゥン)
レシートいりますか?
ただひとこと、(die)Quittung? だったり、(der)Beleg?(ベレーク)だけ聞かれることも多いです。
お客が言う、その他いろいろ
- Ich möchte mich nur umschauen.(イッヒ メヒテ ミッヒ ヌア ウムシャウエン)
見ているだけです
Nur umschauen だけでも伝わります。 - Ich habe mich noch nicht entschieden.(イッヒ ハベ ミッヒ ノッホ ニヒト エントシーデン)
まだ決まっていません
※対面式の場合、近くに行っただけで「はい(注文)どうぞ?」的なことを聞かれるので、この言葉は覚えておいた方がいいです。 - Das geht so.(ダス ゲート ゾー)
そのままでいいです(袋いりますか?等と聞かれた場合)。 - Eine Tüte, bitte.(アイネ テューテ ビテ)
袋ください(袋いりますか?と聞かれず、でも欲しい場合)。 - Einen Beleg, bitte.(アイネン ベレーク ビテ)
Eine Quittung, bitte.(アイネ クヴィトゥン ビテ)
Einen Kassenbon, bitte.(アイネン カッセンボン ビテ)
レシートください - Ich zahle in bar.(イッヒ ツァーレ イン バー)
現金で払います - Ich zahle mit der Kreditkarte.(イッヒ ツァーレ ミット デア クレディットカルテ)
クレジットカードで払います
銀行のカードの場合は、Mit Karte, bitte.(ミット カルテ, ビテ)だけでも問題ありません(この場合、定冠詞のderがつかない)。
ドイツでは銀行カードで払うのが主流なので、カードと言ったら銀行のカードであって、クレジットカードの場合はちゃんとKreditkarteと伝えた方がいいです。
注文する時の個数の言い方
まずは基本的な数字を
1:eins(アインツ)
2:zwei(ツヴァイ)
3:drei(ドライ)
4:vier(フィア)
5:fünf(フュンフ)
6:sechs(ゼクス)
7:sieben(ズィーベン)
8:zcht(アハト)
9:neun(ノイン)
10:zehn(ツェーン)
1(アイン)はeinmal(アインマール)にすると楽
ややこしいのが1つの場合で、1つを表す「ein」が、名詞が男性名詞か女性名詞かに依って「einen」「ein」「eine」に変化させる必要がでてきます。
そんな事を考えてたら出る言葉も出なくなってしまうので、それを避ける方法が「mal」をつけちゃう、というもの。
1である ein(アイン) を einmal(アインマール) にしちゃえば、変化をいちいち気にすることなく伝えることができます。
ちなみに、問題は1つ(ein)の場合であって、2つ以上は語尾を気にする必要はありません。
一番シンプルな表現であれば、
- Einmal ◯◯ bitte.(アインマール ◯◯ ビッテ)
◯◯を1つください - Zwei ◯◯ bitte.(ツヴァイ ◯◯ ビッテ)
◯◯を2つください
指の数え方が違う
◯◯を2つください、と言葉だけでちゃんと伝われば問題ないですが、なんとなく手でもジェスチャーしちゃいますよね。
ただ、ドイツ(欧米かな?)は指の数え方が日本と違う点に注意。
日本式の指は
1:人差し指
2:ピースの形
3:ピース+薬指
4:ピース+薬指+小指(親指以外)
ですが
ドイツ式の指は
1:親指(例えばFacebookの「いいね!」)
2:親指+人差し指(銃)
3:親指+人差し指+中指
4:小指以外、もしくは日本の4と同じ
なんです。以下画像参照。
てか、ドイツ式の4って超難しいじゃん!
でも、夫に聞いても出来なかったので(出来る人もいるそうです)4は日本と同じでもいいのではないかな。
絶対的に違うのはは1~3ですね。
私もパンを買う時、「Zwei…」と言いながらピースマークを出してしまって(しまった!ドイツは銃マークだった!)と気づいてさりげなく親指も上げてみたりして、ってそれ3になってるじゃん!
ってことがありました…。
商品の名前が分からない時
ベーカリー(die Bäckerei ベッカライ)などで、ショーケース越しに注文する場合、商品の名前が分からない時がありますよね。
そもそも、店によっては売れた順にパンを横に詰めていったりするので、商品名のプレートとパンが合っていないことも多々あります。
そんな時は指差し注文。
「◯◯をください」でご紹介した、◯◯の部分を「das」や「davon」に変えて指差し注文すればOK!
- Einmal das bitte.(アインマール ダス ビッテ)
これ1つお願い - Ich hätte gern zweimal das.(イッヒ ヘッテ ゲァン ツヴァイマール ダス)
これを2つください - Ich möchte drei davon.(イッヒ メヒテ ドライ ダフォン)
これを3つください
上2つは「das」で最後は「davon」なのがお気づきでしょうか。
「das」「davon」は、意味としては「それ」なんですが、具体的な名称でなく「それ」「あれ」のような代名詞を使う場合、数を「◯◯mal」で表せば「das」でいいのですが、数に「mal」をつけない場合は「davon」にした方がいいそうです。
「mal」も「davon」も「1個2個」の「個」を表しているのかなぁと、なんとなく思っています。
色々書いていますが、私はもっぱら一番シンプルな「Einmal das bitte.」「Zweimal das bitte.」ばっかりです。
さらにハードルが高いのが、目の前のショーケースじゃなく、店員の奥の棚にあるパンを注文する時。
たいてい奥には大きめのパンがあるのですが、週末なんかは大きいパンを買っておいた方がいいので利用頻度高し。
注文方法は上記と同じく「Einmal das bitte.」で指差し注文(目が悪いので商品名見えないし)。
ショーケースの時より気合を入れて指をさしましょう。ビーーーーーム!!!
丸や四角など、形状(形容詞)も追加して言う
もうちょっと具体的に形状も追加して言うなら、
- Einmal das runde Brot bitte.(アインマール ダス ルンデ ブロット ビッテ)
あの丸いパンを1つお願い - Zwei das viereckige Brot bitte.(ツヴァイ ダス フィアエキヘ ブロット ビッテ)
あの四角いパンを2つお願い - Zwei das dreiecksBrot bitte.(ツヴァイ ダス ドライエクスブロット ビッテ)
あの三角のパンを2つお願い(あまり無いけど) - Drei das lange Brot bitte.(ドライ ダス ランゲ ブロット ビッテ)
あの長いパンを3つお願い
てな感じ。
そうしますと店員さんが「これ?」という風にパンを指します。
それが合っていれば、Ja, genau!(ヤー、ゲナウ!)と嬉しそうに答え、違う場合、それより右なら「rechts(レヒツ)」、左なら「links(リンクス)」、上なら「oben(オーベン)」、下なら「unten(ウンテン)」と言って、希望のパンまで辿り着いてもらいます。
他のドイツ人のお客さんがそんな風に「rechts, rechts, rechts」とお願いしていましたし、私も実際そうやって注文しているので通じます。