さて、ドイツの靴問題。
ドイツ人は室内では靴を脱ぐか否か。
結果から申しましょう。
その家庭に依ります。
でもそれじゃあ話が終わってしまうのでもうちょっと掘り下げてみましょう。
土足の文化だけど、大抵は靴を脱いでいるっぽい
私が知っているドイツ人(少ないですが)は、皆さん室内では靴を脱ぎます。
義実家でも靴は脱いでいます。
ただ、何かの点検やペンキ職人、家具を運んでくれるスタッフは、気にすることも尋ねることもなく、堂々と土足で入ってくるので、基本的には土足の文化なのかなーと思っています。
靴を脱ぐスペースが無い
また、靴を脱ぐご家庭(我が家を含む)であっても、靴を脱ぐエリアがグレーで(グレーに汚れているわけではない。あやふやという意味)、それはそのはず、日本の様に靴を脱ぐスペースが無いのです。
日本だと玄関の靴を脱ぐスペースは一段下がっていて素材も違うので「ここで靴をぬぐのじゃ!」と境界線がハッキリしていますが、ドイツでは入口のドアまで室内と同じ素材で段差も無し、ツーっとそのままいけちゃうんです、ある意味バリアフリー(下記画像参照)。
私は入口ギリギリの所で靴を脱いでから靴を靴箱に戻すようにしていますが、夫は靴を履いたまま何歩か歩いて靴箱に来て脱ぐという(1-2歩ですけどね)。
靴を脱ぐスペースはここ!と厳密に設定したいなら、マットを置くしかないですが、「ドアが開かない」でも書いたように、ドイツのドアは内側に開くので、マットは部屋側には置けないんですね、これが。
マットを置くならドアの外に置くことになります。
さて、義実家も同じで、基本的に室内では靴を脱ぎます、基本的には。
ただ、お客によっては土足でそのまま入ってくる方もいます。
ゲストなので遠慮して敢えて指摘しないのだろうとは思いますが、我々(私、夫、娘、義両親)は靴を脱いでいて、他のゲストは土足で、非土足と土足が同じリビングに会すという、これまたカオスな状態に。
また、義実家は、キッチンからも庭に出入りできる造りなのですが、そのキッチン内のルールがあやふやで、靴を脱いでいたかと思ったら、靴を履いたまま出入りしたりしています。
日本人の我々としては「えーーーーッ?」じゃありませんか?
義両親家だけがそうなのかと思っていましたが、いやいや、つい先日、宅急便の荷物を管理人さんが預かってくれたので、それを取りに行った時のこと。
管理人さんの奥様(いいお年のご婦人)が対応してくれたのですが、預かった荷物が部屋の中ではなく、近くの物置場に置いてあったらしいんですね。
で、「あぁ、きっとあっちの部屋だわ~」と言って一緒に物置場まで移動したのですが、なんと、靴下のまま出てらした!
一応言っておくと、アパートメントの建物内とはいえ普通なら靴を履いて移動するエリアです。
日本でいうなら同じマンション建物内でお隣に行く感じ。
私は靴を履いて、奥様は靴下で同じ場所を歩くことの妙。
靴下のまま歩かせてるようで何だかこちらが大変申し訳ない気持ちになるという。
でもご本人はあっけらかーんとしてらっしゃったので、おそらくそれは普通のことなのでしょう。
これらの経験から、
「ドイツでは室内で靴を脱ぐかもしれないが、その境界線はあいまいである」
という結論に達しました。
結論に達したはいいけれど、やはりいろいろ気になります。
さて、床の掃除なのですが、こちらのフローリングって寄木細工で、寄木細工と言わないまでも本物の木なので、やたらめったら薬品は使えません。
よって、基本的には毎朝ドライタイプのクイックルワイパーのようなもので掃除をしています。
汚れが気になる時や、誰かが土足で入ってきた後は、木材用の床掃除用ウェットティッシュで拭いています。
それから、引越しなどで入居前の内覧は案内人も我々も土足で入って見て回るので、入居後の掃除はかなり気合を入れる必要があります。
スリッパは基本的に履かない
また、私はドイツでも家ではスリッパ(日本で買ったダイエットスリッパみたいなやつ)を履いているのですが、夫は裸足もしくは靴下で直歩きです。
それは義両親宅でも同じ事で、おそらく「室内でスリッパ」という考えが無いように思います。
スリッパ自体は存在していますが、それは寒さから守る暖かい室内履きであったり、逆にプールやサウナなどで履くビーチサンダルであったり、スリッポン(靴)だったりします。
ちなみにスリッパはドイツ語で、地域によって言い方は違うようですが
- Hausschuhe
- Schlappen
- Latschen
- Pantoffeln
などがあります。
インターネットで探す場合、上記なら大抵見つかりますが、日本で履くようなスリッパはレアです。
「「Gästehausschuhe(来客用スリッパ)」がいわゆる日本のスリッパに近いですが、多少ペラペラ感があるのと、底地がフェルト生地かつ滑り止めが無いのでフローリングだと滑りやすくて危ないです。
よって、スリッパが必要であれば日本で買った方がいいと思います。
ドイツで買うなら、プールで履くサンダルみたいなものをスリッパとして使うか、ですかね。
悩ましいのがホテル
ホテルは絨毯だったりフローリングだったりそれぞれですが、掃除も行き届いていることもあって、ええ、たしかにキレイですよ、見た目は。
でも他の一般客はおそらく土足であがっているだろうから、やはり自分も土足で過ごすべきかなーと思っていると、夫は靴脱いでるし。
日本のホテルだったら大抵スリッパも置いてありますが、ドイツのホテルには用意されていないので、土足で過ごすか素足で過ごすか、どちらかしかありません。
自前のスリッパを持参すればいいんでしょうけど。
いやー、やっぱり靴を脱ぐ日本の習慣がいいなぁ。
まぁ、カウボーイ映画のように土足のままベッドに寝転ぶような事はないのでいいんですけども。
逆に欧米人からすると、日本はあっちこっちでスリッパを履き替えることに混乱するようです。
あっちこっちと言ったって、トイレと普通の部屋のスリッパのことなんですけどね。
ちなみに夫は、私の日本の実家でトイレのスリッパを履いたまま部屋に入ってきました。
でも、日本の、あっちこっちで履き替える文化を「清潔だ」と誉めてくれる外国人もいます。
靴にまつわるドイツ語
最後に、靴にまつわるドイツ語をいくつか。
- 靴を脱いでください(目上や知らない人に対して)… Ziehen Sie bitte Ihre Schuhe aus.
- 靴を脱いで(親しい人に対して)… Zieh deine Schuhe aus.
- 私はここで靴を脱がなければなりませんか?… Muss ich mir die Schuhe hier ausziehen?
又は
Muss ich mich ausziehen? - 土足禁止、土足厳禁… Mit Schuhen betreten verboten!(verboten が禁止の意)
Straßenschuhverbot(Straßenschuh:ストリート用の靴、いわゆる土足 verboten:禁止)
Schuhe ausziehen!(aus:脱ぐ、電源を切るなどの意、英語でいうout)
靴にかぎらず、「verboten」が禁止の意味なので、看板などで verboten があったら何かが禁止なんです。
ちなみに許可は「erlauben」または「erlaubt」。
覚え方、「絵(を)洗うのはエアラウベン(許可するよ)」。
くだらなくてスミマセン。