私が通っていた、ヴュルツブルクのドイツ語 語学学校「Kolping-Akademie(コルピング・アカデミー)」にて、基本的に私がいたクラスでの話ですが、様子や雰囲気、どこの国からどんな人達が集まってきていたかをご紹介しようと思います。
» コルピング・アカデミーの教師陣、授業の進め方についてはコチラ
どこの国からどんな人達が参加していたか
私のような完全ビギナーは始めから受講していましたが、生徒のドイツ語のレベルによっては途中から入ってくる人もいましたので、まずは初回からのメンバー。
国 | 性別 | 年代 | ドイツでの職業 | 備考 |
---|---|---|---|---|
イタリア | 男性 | 10代 | イタリアンレストラン厨房 | |
イタリア | 男性 | 30代 | 土木作業員 | 国に妻子あり |
イタリア | 男性 | 20代 | ストリートパフォーマンス | 下の女性と兄妹 |
イタリア | 女性 | 20代 | フリー | 上の男性と兄妹 |
イタリア | 女性 | 40代 | 空手の先生? | |
パキスタン | 男性 | 40代 | フリー | 国に妻子あり |
ルーマニア | 女性 | 20代 | 病院内の厨房(パン職人) | 彼がドイツ人 |
ルーマニア | 女性 | 20代 | フリー | 下の女性と姉妹 |
ルーマニア | 女性 | 20代 | フリー | 上の女性と姉妹 |
アゼルバイジャン | 男性 | 40代 | 車のエンジニア(整備士) | 下の女性と夫婦 |
アゼルバイジャン | 女性 | 40代 | 主婦 | 上の男性と夫婦 |
ラトビア | 女性 | 20代 | フリー | 彼がドイツ人で彼の家族と一緒に住んでいる |
エリトリア(アフリカ) | 女性 | 10代 | フリー | |
ベトナム | 男性 | 20代 | アジア料理屋厨房 | |
日本(私) | 女性 | ? | 在宅勤務 | 夫がドイツ人 |
さて、この中で最後まで残ったのは誰でしょう。
答え、ルーマニアから下です。
要は、始めは5人もいたイタリア勢が全滅!
パキスタンの男性は諸事情で中断せざるを得なかったようで学校にも断りを入れての事でしたが、イタリア勢は音信不通で来なくなるパターン。
一人また一人と来なくなり、結局全滅。
イタリア人ってこんないい加減なの?と思ってしまいましたよ。
でも、講師の一人もイタリア女性で、頑張って頑張ってドイツ語を勉強して講師までなっているのですから、人に依るのかな。
でも「イタリア人はいい加減度が高め」と私の中にインプットされてしまいました。
次は途中から入ってきた面々。
国 | 性別 | 年代 | ドイツでの職業 | 備考 |
---|---|---|---|---|
パキスタン | 女性 | 20代 | フリー | 夫もパキスタン人だがドイツ国籍 |
チェチェン共和国 | 男性 | 30代 | フリー | 下の女性と夫婦 |
チェチェン共和国 | 女性 | 30代 | フリー | 上の男性と夫婦 |
グルジア | 女性 | 40代 | フリー(本国では女医だった) | 夫がドイツ人 |
メキシコ | 女性 | 20代 | フリー | 夫がドイツ人 |
ポーランド | 男性 | 20代 | フリー | 彼女がドイツ人 |
アフリカ(国は忘れた) | 男性 | 20代 | フリー | |
アフリカ(国は忘れた) | 男性 | 20代 | どこか忘れたけど勤務中 |
途中から参加というだけあってドイツ語もそれなりにできます。
パターンとしては「ほぼ喋れるけどDTZのB1を取っていなかったから、ここらで取っておこう」レベルか、「ほぼ喋れるけど基本の文法がなっていない」か、逆に「文法は理解しているけど喋れない」か。
さて、人が集まるところ、グループできる。
日本人の私が仲良くしていたのは、ラトビアの20代女性。
始めに席が隣だった事もあるのですが、彼女(とドイツ人の彼氏)が日本の漫画やアニメが好きで、もともと日本に好印象を持ってくれていたことと、お互いの共通語が英語だったことも要因。
背が高くスラっとしていて、いわゆる北欧の白い肌、美しい娘さんだったー(っておばちゃんか。だって実際年齢もかなり離れてるし)。
私は、年齢でいえば、ウクライナ40代、アゼルバイジャン40代あたりが仲良くなる層なのでしょうけど、ウクライナ、アゼルバイジャン、チェチェン辺りはロシア語が話せるようで、ロシア語組みでかたまっていたので、そこには入りづらかったのがあります(勿論、普通に話す時は話しますよ)。
逆に、英語が話せる比率が少なく、クラスの中では、ラトビア女性、メキシコ女性、ポーランド男性、アフリカの男性の一人、そして私だったので、英語話せる組は英語組でかたまってしまったのもあります。
ドイツ語も喋れるようになればお互い意思の疎通もどうにかこうにか出来てきますが、始めはどうにもならないので、結局は言葉が通じる相手と仲良くなっちゃいますね。
ある意味、全滅したイタリア勢は、最初は仲間が沢山いてワイワイやっていましたが、あまりに始めから仲間意識ができすぎちゃって、一人また一人来なくなったら、残りの人達も来るのが嫌になってしまった様な流れでした。
そうそう、ルーマニアの姉妹も最初から最後までずーっといつも2人でかたまっていました。
彼女たちは授業も真剣ではなく宿題もやってこず、話すのはいつも2人でコソコソ、当然のことながらドイツ語は殆ど上達せず。
実は彼女達とは学校に入る前のテストでも一緒だったのですが、人を見てコソコソ話して笑ったり(悪気はないのかもしれませんが)、いい印象はなかったなー。
このように、真剣な人、真剣でない人がいます。
普通に考えたら「真剣にならないでどうするの!」なんですが、役所から言われて嫌々やってきたんですかね、でも、ドイツに住むなら、いずれにせよいつかはDTZ B1合格しなきゃならないわけで、早く終わりたくはないのかね、と、人ごとながらモヤモヤして見ていました。
文化によって異なる授業態度
雑談が多い
まず、雑談が多い。
人にも依りますが、授業中でも先生に雑談をして中々授業が進まなかったり。
授業の話じゃないんです、求職の話とかそんなこと。
会話の練習になっていいじゃんと思うかもしれませんが、雑談する人たちは喋れる人なので、喋れない我々は雑談にも入れず、ただ雑談が終わるのを待つしか無く、授業は進まないしで少々うんざり。
遅刻、早退はざら
さすがに遅刻は先生が何度も何度も注意してだんだん減っていきましたが、早退に限っては、「帰りのバスの本数が少ないので◯時のバスに乗りたい、だから◯時には出ます」という、仕方ないようなそうでもないような理由で、それは許容範囲内でした。
確かに遠くから1時間に1本レベルのバスで通っている人達は、一本逃すと面倒なのは分かります。
逆に彼らは朝は誰よりも早く一番乗りで来てたので、怠惰というわけではなかったです。
終了時間の数分前から片付け始める
大半の人が、終了時間が来ると、というより終了時間の数分前から、まだ先生が喋っているのに片付け始めるという。
私は、完全に授業が終了してから片付けて退出していましたよ。
意地になっていたのかもしれませんが、でもそれって先生に対するマナーでしょう、やっぱり。
日本だけがそうなのかと思ってロバートに聞いてみたところ「ドイツだって、ちゃんとした水準の教育を受けていれば、先生の話が終わるまでちゃんと待つよ」とのこと。
人の失敗を笑う
ベトナムの男性が、ドイツ語を喋っていても全く聞き取れないほどの癖のあるアクセントがある人だったのですが、彼がドイツ語を読む時、数人があからさまに笑うんです。
先生は「笑うんじゃありません。国それぞれでアクセントに癖はある。ドイツ語を習い始めたばかりでうまく喋れないのは当たり前。」
と至極まっとうな注意をしていました。
国籍を出しちゃうと、笑っていたのは上記でも出てきたルーマニアの姉妹とチェチェン共和国の男性。
ルーマニアの姉妹はホント印象悪くて、自分達を棚にあげて人を笑ってる場合じゃないだろ、と思いましたよ(言葉悪くてすみませんね)。
チェチェンの男性は、その時は印象が悪かったけれど、休憩時間ではそのベトナム男性に気さくに話しかけたりして、どうもバカにしているわけじゃないんですよね。
ただ純粋におかしくて笑ってしまっただけのようです。
良く言えば素直?悪い人じゃないんですけどね。
イスラム教問題
上記のチェチェン男性と奥さんはイスラム教徒らしく、奥さんは美人かつ可愛らしい方なのですが、常にヒシャブ(スカーフ)で髪を隠していました。
ある時授業で、習ったばかりのフレーズを使って、順番に交代で喋っていきましょう、という流れになったのですが、その奥さんが男性とあたった時、夫以外の男性と喋れない、と言い出しまして、結果的には彼女は女性とだけ喋ることになりましたが、拒否された男性は少々ショックのようでした(笑)。
色々な宗教の生徒がいるので先生も大変ですね。
ラマダン明け問題
ちょっとした騒ぎになったのがラマダン明け問題。
イスラム教徒にはラマダンという断食期間があって、ラマダン明けは祝日となるのです。
勿論クラスにもイスラム教徒が数人いて、そのうちの一人がラマダン明けには学校を休むと休学申請したのですが、ちょうどその時の先生が真面目で熱い男の先生で「ラマダン明けは君たちの文化であって、ここはドイツなのだから、ちゃんと学校には来るべきだ」的な事を言ったのですね(べつに怒ってではなく冷静に)。
そうしましたらその生徒、頭に血が昇っちゃって「今までもその理由で休んできた!何故ラマダン明けを祝日と認めないんだ!」みたいな事を言い出して、先生は冷静なんだけど生徒が本気で怒り始めちゃって。
ちなみにこちらも上記に登場のチェチェン男性。
そうこう言い合いしているうちに先生が突然日本を例に出して「日本でも日本の祝日があるけど、◯◯(←私の名前)はちゃんと学校に来てるよね」と私に振ってきた!
この険悪な雰囲気、ここで私に振りますか!
えぇ、日本の祝日なんて外国では関係ありません、ハイ。
そのチェチェン男性は納得がいかないらしく、他の先生に愚痴ってましたが私は先生に一票。
でも日本人は無宗教なので、宗教についてどうこう言うのは難しいというか、分からないですね…。
ただいずれにせよ、すぐカッとなる人って嫌だな~。国籍問わず。
他の国の人達は日本をどう思っているのか
日本に関しては、特別な何かが無い限り、知らない、興味ない、が殆どだと思います。
まぁ、ドイツに住みたくてドイツに来ているのですから、日本に興味が無いのは当然と言えば当然。
ただ、さすがにエリトリア(アフリカ)の女の子が日本の国旗を韓国だと言った時はひっくり返りそうになりました。
先述の漫画が好きのラトビア女性、ゲーム好きのポーランド男性、車の整備士をやっているアゼルバイジャン男性は例外で、日本に興味を持ってくれていました。
車の話題でTOYOTAが、ゲームの話題で任天堂の名前が出てきた時は素直に嬉しかったです。
ラトビア女性に「死神」の漢字を書いてあげたら喜んでいましたっけ(笑)。
(ちょうどDEATH NOTEが流行っていたので)
先生に至っては、教師年数が高い人ほど日本に好印象を持ってくれていました。
おそらく、日本人は真面目、という印象がインプットされているのでしょう。
先述のラマダン騒ぎの時の先生も日本には好印象のようでした。
これも先人たちのお陰。ありがたや~。
こういった各国から色々な人が参加している場にいると、各個人がその国の代表の様な感じになるのですよね。
その1人の印象だけで「◯◯人はこう」と決めつけるのは浅はかだと分かってはいても、でもやっぱり各国の代表選手みたいなもんなワケで、それを常に意識して、日本人のイメージを損なわないように振る舞わなければ、と思うのです。
それが愛国心ってものじゃないのかい?