ドイツでの出産

ドイツでの出産をまとめたいと思います。

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ドイツで出産か日本で出産か

そもそもドイツか日本か、どっちで出産するか。
そりゃー確かに言葉の壁はありますし多少悩みましたが、以下の3つの理由から、ドイツでの出産を選択しました。

  • 語学学校が続いていて中断したくなかった(妊娠中期までバスに揺られて重い教科書背負って通ってました)
  • 妊娠した身で長時間飛行機に乗るのもどうかと思った(どうでもないとは思いますが)
  • ドイツの医療を信じた

決め手となったのは3つ目で、具体的には相談サイト 「YOMIURI ONLINE 大手小町」 でドイツで出産された方が書かれていた以下の回答です。

私はトラブルがあって帝王切開でしたが最新の方法で負担が限りなく少なく、生まれたときたくさんのトラブルがあった子供も何の障害もなく育っています。 ~略~ もし日本だったら後遺症が残ったに違いないと思えるほどの設備、医療方法の差でした。(同じ時期に友達が同じようなトラブルで日本で出産しましたが比べるたびに恐ろしくなる感じでした)

こ、これだ!
私は高齢出産で不安は色々あったので、言葉の壁より出産の安心感!ということで、ドイツでの出産を決めました。
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ドイツの健診の内容

ドイツの定期健診は32週までは月1回、33週から2週間に1回、予定日を過ぎてからは2日に1回に(これは日本も同じでしょうか)。
そして私は予定日を12日過ぎての出産だったので、後期はまぁ凝りもせず何度も何度もクリニックに行きましたわ。
ちなみに、産婦人科選び でも書きましたが、初回は8週を超えないと診察してもらえません。

健診の内容としては、

  • 毎健診毎に、尿検査、血液検査、体重、内診(ph検査含む)、エコー。
  • 初回の検診では抗体スクリーニング検査(Antikörpersuchtest)、クラミジア検査(Chlamydia trachomatis-DNA)、 梅毒検査(LSR durchgeführt)、風疹抗体検査(Röteln-Antikörpertest)、HIVテスト。
  • 11週にダウン症検査である「血清マーカー(PAPP-A と Freies beta-HCG を組み合わせたもの)」。
    ※この血清マーカー(PAPP-A, Freies beta-HCG)テストは日本ではまだ馴染みがない様ですが、精度は高く、羊水検査のようなリスクもなく今注目の検査のようです。ただ、早い段階で行う検査なので、希望するならすぐ申し出た方がいいかと。
    » 血清マーカー(PAPP-A, Freies beta-HCG)の分かりやすいサイトを見つけましたので詳細はそちらでどうぞ。
  • そして24週に再び抗体スクリーニング検査と、これはオプションですが3Dエコー(3D-Sonographie)の撮影(DVDに焼いてくれる 30€)。
  • 32週には、HBs抗体いわゆるB型肝炎ウイルス検査(Nachweis von HBs-Antigen aus dem Serum)をやりました。

» 母子手帳(Mutterpass ムターパス)の見方はコチラ

費用としては、初回検診の後、請求書が送られてきたところ 205.00€ でした(約3万円。ダウン症検査含む)。
それを振り込んでそれっきり。
希望したオプションや処方された薬代は都度払いますが、あとは全て保険で賄われます(入院費も無料)。
ドイツすごー(その分税金は高いですが)。

3Dエコー

3Dエコー画像というか動画というか。10分間位のものをDVDに焼いてくれます。

ちょっと横道に逸れますが…
文字を変換していて気付きましたが、妊娠の場合「健診」と「検診」、どっちが正しいの?
で、調べてみましたら、

  • 検診 
    何か特定の病気の早期発見を目的としている。例えばガン検診など。
  • 健診
    健康の確認、健康の程度を知るため、将来病気につながる可能性を見つけることを目的としたもの。

結果的には「妊婦健康診査」を略したものだそうなので、正しくは「健診」ですかね。
 

ドイツでの出産

さて、いよいよ出産。
先述の通り、私は予定日をかなり過ぎての出産で、入院するまで陣痛らしき陣痛もなく破水もなく、ないない状態。
胎動は感じるけど、いつ何が起きるか分からない、今日生きてても、もしかしたら明日にはお腹の中で動かなくなってしまうんじゃないかと心配で、促進かけるなり切るなり早く出してくれ、といった心境でした。

そしてやっと入院。しかしこれが 32時間の超難産 の始まりだったのです。

1日目 14:00

促進剤を注入。
その日 「すぐ出産、もしかしたら麻酔を使うかも」 と思い、朝から何も食べていなかったのでお腹が空く。
看護師さんが 「喉乾いてます?何か飲みますか?」 と聞いているのに 「何か食べ物ありますか」 とのたまうワタクシ。
有り難いことにビスケットを何枚か頂きました。ムシャムシャ…。

1日目 16:00

そして数時間後、いや~、やってきました、これが陣痛ですか、うぅ…うわさ通り痛いっすね!!
それでもまずは4時間程は室内で耐え、やっと専用のお部屋に移動(分娩室ではない)したと思ったら、まだ子宮口が1cmしか開いていない、これが10cmになるまで待つ必要があるとのこと。
えぇぇー!? まだだったの1cmー!?

1日目 22:00位?

この出産は長丁場になる、でも出産に備えて体力は残しておかなければならない(少しでも寝たほうがいい)、ということで、和痛の麻酔を先ずは点滴で注入してもらうも、無痛になるわけではないので痛い。
これは実は気休めなのではないかと疑う程度の効き目。
真夜中2-3時頃、隣の分娩室では他の方の赤ちゃんが産まれた模様。
「あぁ、明日には私も産めているんだろうか…」 と思いを馳せる。
もう痛いやら眠いやら、陣痛の波が去った数分に眠りに落ち、痛みで目が覚めて呻くの繰り返し。

2日目 午後(もうよく時間が分からない)

子宮口がまだ4cm位しか開いてなくて、もうなんだかなー。
点滴の麻酔じゃもう話にならなくなってきて、いよいよ背中から硬膜外麻酔(Epidural anaesthesia)注入。
これも、その時は多少(本当に多少)痛みが和らいだ(ような気がする)けど、ちゃんと痛い。
※硬膜外麻酔注射は痛くないです。ひんやりしたものが入ってくるので気持ちは悪いですが。

3日目 深夜0:00頃

再び深夜をまわる。
子宮口がやっと8cm位開いたらしいところで、やっと隣の分娩室に。
でもすぐ出産ではなく、そこでも10cm開くまで待つ、待つ、待つ…。うぅぅ~。
「楽な姿勢でね」と言われても、何が楽なんだかもう… それに痛くて痛くて姿勢を変えることが出来ない。
身体の向きを変えるだけでも手すりを握りしめて汗だくになって5分10分かかってやっと。うぅぅ~。
力も尽きてきて、この時点で 「こりゃー私産めないかも」 と思い始める。

3日目 深夜1:00頃

10cm開いたかなーというところで、やっと足の置き場がセットされ、いよいよイキみましょうという段階へ。
でももう体力が残ってなく、いや、もしかしたら麻酔でイキむ感覚が薄れていたのか、とにかくダメらしい。
そんなこんなしている間に破水はするわ血圧が下がるわで、このままじゃ赤ちゃんが危険ということで急遽帝王切開へ。
あぁ、もういいです、切って切って。

3日目 深夜1:45頃

手術室へ。ロバートは手術室までは入れないので、そこで一旦お別れ。
手術室は4-5人位のドクター&助産婦さんがいたでしょうか。
執刀のドクターは愛想のかけらも無い手慣れた感じの中年男性なんだけど、あら、腕にタトゥーが入っている。
あら、こちらのドクターにもタトゥーが。
ドクターの中ではタトゥーが流行っているのか、タトゥー好きがドクターになるのか、どうでもいい事を考えながら消毒液を塗られる。
麻酔の効き目を確かめるべくあちらこちらをつねったり叩いたりされるのだけど、ちゃんと痛いのが怖い。
「分かります分かります、痛いです」とそれだけは何度も訴える。
1人アジア人の女性スタッフもいて、何か言いながら手を握って励ましてくれる。
執刀ドクターに 「これ酸素ね」 と口に呼吸器(と言うんですか?)をあてられた所で気を失う(あれ笑気麻酔も入っていたのだと思う)。
※後日談: その愛想のかけらもない執刀ドクターですが、腕は確かだったらしく、産褥期間中に来てくれていたHebamme(ヘバメ、助産婦さん)が手術跡を見て誉めてました。

3日目 深夜2:19

さて、私が寝てる間に娘は無事に産まれた模様。

3日目 早朝4:00頃

起こされてタオルにくるまった娘と初対面!
わー!やっと会えたね!
その嬉しさは本物なのだけど、いかんせん眠くて眠くて(だってこの2日間、殆ど寝てない)、ご対面はもういいから早く(私を)寝かせてくれと思ってしまう私。
この数日ずっと付き添ってくれてたロバートもやっと一旦家へ帰れる。
長丁場になってしまってごめんね。本当にありがとう!お疲れ様。
 

ドイツでの入院生活

部屋

さて、私が入院した部屋は3人部屋。
ロシア人女性と韓国人女性との共同部屋だったのですが、日本のように各ベットがカーテンで仕切られている訳ではなく、全てオープン。
見舞客も出たり入ったりで、その中にはもちろん男性もいて、最初は戸惑いましたがそのうち慣れました。
ロバートが来ている時も他の女性は搾乳したりしてましたし。
それが逆に嫌でもコミュニケーション取るきっかけになり、それはそれで良かったのかな。
彼女たちはドイツ語が堪能で私はそうではなかったので単純な会話くらいしか出来なかったけど、同じ時に同じ経験をした仲間意識みたいなものを得ることが出来ました。

ドイツの病院の室内

ドイツの病院の室内。カーテンなどの仕切りは一切なし。

入院に持っていった方がいい物
  • Mutterpass(ムターパス 母子手帳)
  • 歯磨きセット
  • 洗顔セット
  • シャンプー&リンス
  • タオル(洗顔などに)
  • バスタオル
  • 退院時の自分の服、下着
  • 退院時の赤ちゃんの服
  • 携帯及び充電器
  • 授乳ブラおよび授乳パッド
    私は産後は母乳が出なかったので必要ありませんでしたが(退院時はもちろんブラは必要)、母乳がでるかもしれないので、授乳ブラと授乳パッドは用意していった方がいいかもしれません。出る人はビャーっと出るので、パッドがないと胸がびしょ濡れになります。
  • 生理用品
    出産後はしばらく(2-3ヶ月)出血します。入院中は病院の巨大ナプキンをあてていましたが、退院時用に大きめナプキンを持参するべし。
  • 室内履き
    ペタンコサンダルというかビニール製のクロックスみたいなやつというか、脱ぎ履きが楽で、浮腫んだ足でも履けて、濡れてもよくて滑らないものがいいです(滑らない、これ大事!)。
    実際私は出産(帝王切開)翌朝、起き上がろうとして血まみれになり、その血をシャワー室で、室内履きを履いたまま洗い流してもらったので(基本土足なので裸足は躊躇する)、ビニール製サンダルで良かったです。
    ↓ 私が使ったのはこれ

    ちなみに、この手のサンダルはドイツのスパ(プール・サウナ)で皆履いているので、出産以外でも活躍します。
    普段、私はベランダで使っています。
  • パジャマ
    出産前用と後用の少なくとも2つ持っていくべし。
    出産前は専用室に移動してそこで過ごすだけなので、それこそ寝間着のようなものでもいいですが(内診を何度もすることになるので下が脱ぎやすいもの、ちなみに汗や、もしかしたら破水で汚れます)、出産後は一般人もいる院内を歩くことになるので、いかにもパジャマというより部屋着みたいな方がいいです。
    さらに授乳しやすいもの、そして出産後と言ってもお腹がすぐ引っ込む訳ではないので腰回りがゆるいもの、授乳兼用マタニティ服でいいと思います。
    汗をかいた時のことを考えて(病院内は暑いし布団も厚い、ダジャレではない)、トップスは余分にあるといいかも。

以下は出生証明書に必要なもの(病院で出生届けが出来ます)

  • 発行手数料 10€(2015年2月現在)
  • 婚姻証明書(ドイツのもの、日本のであればアポスティーユ付きドイツ語翻訳済み必須)
  • 両親の出生証明書(←両親というのは自分達のこと。私の証明書はアポスティーユ付き翻訳済みの戸籍謄本)
  • 身分証明書(私はパスポートで)

※アポスティーユ付き翻訳済みと言われると一気に面倒な感じがしますが、ドイツで婚姻届けをしたのであれば、その際の書類がそのまま使えます。
» 婚姻手続きについてはコチラで詳しく書いています。

病院での食事

日本では帝王切開後の食事はおかゆの様なもの、と聞きますが、ドイツでは術後の朝からがっつりパン、ハム、チーズ、バターなどの(ドイツの)普通食、で、それで特に問題なし。
毎朝昼晩出される薬のお陰なのか、夜 太腿に打たれる注射のお陰なのか、術後の痛みも感じず、便通もゆるくなって便秘気味の私もトイレでイキむ必要がなく良かったです。
ただ、痛みを感じないとは言っても、ベッドから起き上がる時、歩く時はやはり痛いです。
それでも傷の痛みというよりは筋肉痛の痛みで、ベッドにじっとしていれば痛みはほぼ感じませんでした。

ドイツの病院での夕食。

ドイツの病院での、とある日の夕食。帝王切開後でも普通のドイツ食。

赤ちゃんは同室か別室か

赤ちゃんはどこにいるか、というと、一日一回検診のために早朝に引き取りにきますが、通常は部屋で母親と一緒。
ドイツは母乳推進の様で、部屋で母乳をあげなさいね、というスタンスなんだと思われます。
で、オムツを変える時や泣いてしょうがない時は 「Kinder Zimmer(キンダーツィマー、子供部屋)」 にベッドをガラガラ押して連れて行きます(帝王切開後だろうが関係ない)。
特に夜はギャン泣きされると同室の人に迷惑がかかるので、お互い暗黙の了解で Kinder Zimmer に連れて行ってました。

私は帝王切開だったこともあり母乳は殆ど出ず、でも母乳をやれとの病院のスタンス。
Kinder Zimmer にミルクを貰いにいく度に母乳出し訓練をさせられて、私の訓練はいいんですけど、赤ちゃんに無理やり吸わせるので勿論ギャン泣き、それでも頭を押さえつけて吸わせようとするのを見てるとホント私も泣けてきました。
もうね、 Kinder Zimmer に行くのも怖くなって、でも行かなきゃミルクも貰えないし(あげられない)で、ある意味、産後ウツはこの時から始まっていたのかな、と思います。
でも、訓練はやって良かったと今なら思えます。
母乳問題は退院後も続くのですが、それは 母乳・搾乳・授乳 大作戦! で書いています。

入院期間

聞く話に依ると通常ドイツの出産入院は出産後3日間、帝王切開の場合は5日間のようです。
私は早く帰りたくて4日で退院してきてしまいましたが、帰宅後発熱してしまったので(おそらく朝昼晩服用していた薬をやめたからだと思われる)、やはり言われた通り5日間入院していた方がいいかと。

たった4日間の入院生活(出産前を含めると6日間)でしたが、あの病院内での生活は現実とは隔離された別世界で、入院中は早く退院したくてしょうがなかったけれど、今は病院の前を通る度に懐かしさがこみ上げてきます。
医師や看護師さん方にしたら日々過ぎていく患者のうちの1人なのでしょうけど、私にとってはとてもお世話になった方々、懐かしさと感謝の気持ちでいっぱいです。
お世話になりました。

こんにちは赤ちゃん

こんにちは赤ちゃん


 

出産に関するドイツ語あれこれ

出産に関わる言葉をドイツ語で紹介して終わりにしようと思います。
とは言え、陣痛始まったら「痛い」の「weh(ヴェー)!」しか言わないと思いますし、hebamme(助産婦)が言う「いきんで!」「息すって!」などもジェスチャーで分かります。

ただ、お腹が痛いのは当然として、麻酔の影響で頭が痛くなるなど、他の部分が痛む場合もあるので、お腹以外の身体の名称も覚えていった方がいいかもしれません。

生理 die Menstruation 又は英語式の die Periode でもOK(ドイツ語の説明書にはPeriodeで表記されていました)
性行為 der Geschlechtsverkehr 又は英語式の der SexでもOK(ドイツ語の説明書にはSexで表記されていました)
出産・分娩 die Entbindung 又は die Geburt
お腹が痛い Ich habe Bauchschmerzen. 又は
Mein Bauch tut weh.
便秘 die Verstopfung
下痢 der Durchfall
陣痛 die Wehen
羊水 das Fruchtwasser
破水 die Blasensprung
出血 die Blutung 又は Blutungen
帝王切開 der Kaiserschnitt
自然分娩 die natuerliche Geburt
無痛分娩 die schmerzfreie Geburt
陣痛誘発剤 das Wehenmittel
陣痛促進 die Einleitung
点滴 der Wassertropfen
点滴する eine Tropfinjektion geben
麻酔 die Narkose 又は die Anästhesie
吐き気がします Ich empfinde Übelkeit.
いきんで! Pressen !
ゆるめて! Locker lassen !
息を吸って! Einatmen !
息を吐いて! Ausatmen !
息を止めて! Atme anhalten !
会陰切開 der Dammschnitt
赤ちゃん das Baby
新生児 das Neugeborene
乳児 der Säugling
母乳 die Muttermilch
授乳する stillen 又は die Brust geben
おむつ die Windeln
私はおむつを変えます Ich wechsele die Windeln.
ゲップする aufstossen
出生証明書 die Geburtsurkunde