ドイツ人と日本での結婚(婚姻)手続き
失敗は許されない(あくまで私の場合は、ですが)日本での結婚(婚姻)手続き。
お互い日本に住んでいるなら書類不足があっても新たに取り寄せれば済む話なのですが、その頃彼はドイツ、私は日本住まい。
結婚式を日本で行ないたいという希望もあって、結婚手続きと結婚式を彼が来日している1週間で済ませ、式が終わった3日後には彼と一緒に私もドイツに飛ぶというハードスケジュール。
(彼滞在は2週間でしたが、そのうち1週間は彼の家族を東京案内+結婚式があり、1週間がリミット)
何かミス(書類不足など)で承認されないと私は何者でもないままドイツで住むことになり、じゃあドイツで結婚手続きすれば、と言っても結局必要書類は日本で用意しなければならず、ドイツに入国してからはそれはかなり難しいというもの。
チャンスは一回限りです(ちょっと大袈裟ですが)。
とにかく念には念を入れて厳密に進めないとならない緊張の数ヶ月でした。
会社通勤しつつ、結婚式の準備を一人で全て行ない、結婚手続きに必要な書類集め、銀行やクレジットカード手続き、年金、健康保険、住民税、引っ越し手続き、などなど… あの時の私って凄いなと我ながら思います。
年金、健康保険などのお役所手続きは別の機会に書くとして、とにかく結婚手続きです。
ドイツ人との結婚手続きを日本で申請する手順
自分の戸籍謄本と住民票を区役所に取りに行く、ついでに婚姻届用紙も
必要なのは「戸籍抄本」ではなく「戸籍謄本」、「戸籍全部事項証明書」とも言います。
「住民票」は「世帯主の氏名及び世帯主との続柄」と「戸籍の表示」を省略して申請することも出来るようですが、アポスティーユ付けて翻訳後にやっぱり省略してないのが必要、なんてことになったら二度手間もいいとこなので、とにかく念入りに全部入りがいいと思います。
※本籍地以外で申請する場合は2通必要(アポスティーユ付与用と、最終的に婚姻届を出しに行く時用)ですが、私は実家暮らしだったので1通
※区役所来たついでに「婚姻届」の用紙を2通ほどもらってきて事前に下書きしておく。先に進められるものは進める。
取得した戸籍謄本と住民票にアポスティーユをつけてもらうため外務省へ郵送
アポスティーユとは、外務省がこの書類を証明した、という印(ハンコ)のようなもの。
お互い速達利用なら平日2~3営業日で返送されてきました。
お互い速達利用というのは、私が外務省に郵送する時と、外務省から返送してもらう両方を速達で、という意味です。
但し、送るのも返送してもらうのも送料はこちら持ちなので、速達希望ならその分高くなります。
※申請書ダウンロードや宛先は外務省HPを参照。
返送されてきたアポスティーユ付きの戸籍謄本と住民票をドイツ語に翻訳依頼する
翻訳事務所リストはドイツ大使館HPにあります。
私は「ツッキー・カール公認翻訳士」さんにお願いしました。
ツッキーさんは、日本にお住まいのドイツ人男性で、作業は早く、連絡はマメで丁寧、日本語丁寧語バリバリ、良心的な価格、とても感じの良い方で、何より「大使館・総領事館での手続きの必要がない翻訳者」さんという点が重要ポイントかと。ツッキー・カールさんおすすめです!
混み具合にも依るとは思いますが、前もって予約やスキャンデータを送っておけば、1週間以内には翻訳完了の原稿が手元に届くスケジュールでした。
彼の「婚姻具備証明書(Ehefahigkeitszeugnis)」を入手する為に、私のアポスティーユ付き翻訳済みの戸籍謄本と住民票を彼宛(ドイツ)に送る
この作業は、彼の婚姻具備証明書を取り寄せるためのものなので、もしお相手が日本にいる場合は、彼のご家族にお願いするなりして取り寄せる形になるかと。
また、これはWürzburg(ヴュルツブルク)市役所の指示ですので、婚姻具備証明書の発行に何が必要なのかは、その地域の役所に確認して(彼に確認してもらって)ください。
彼(ドイツ)から日本語翻訳済みの「婚姻具備証明書」が送られてくる
これで必要書類が揃う。
私の場合は、彼が日本語翻訳まで完了させて送ってきてくれましたが、日本語翻訳は取り寄せてから日本でも(依頼)できます。
念のために必要書類の確認をしに区役所へ(リハーサル)
揃った必要書類と、事前にもらってきておいた婚姻届けに必要事項を記入したものを持って、これで問題がないかを確認してもらいに区役所へ。
とにかく念には念をいれます。何か足りなくても今ならまだ間に合います。
婚姻届の添削もしてもらい(鉛筆で下書きのものを持っていった)、必要書類もOKいただきましたー。
彼来日、いよいよ区役所へ婚姻届を出しに行く
日本で外国人との結婚手続きに必要なものは以下
- 彼の日本語翻訳済みの「婚姻要件具備証明書」 … 取得した!
- 区役所の婚姻届用紙に記入したもの … 記入した!
- 私の印鑑 … 当日持っていけばいい!
- 彼のパスポート … 当日持っていけばいい!
※さらに、本籍地以外に提出する場合には戸籍謄本または全部事項証明書が必要のようです。
※念のため、何が必要かは申請する役所に確認してください。
問題なく(ここで問題があっても困る)婚姻届が無事受理されました!
バンザーイ!
違う窓口で「婚姻受理証明書」を申請する
「婚姻受理証明書」も取得しましょう。証拠みたいなものですから。30分位でできます。
数百円しますし根拠はないけど念のため2通申請(実際1通で問題なかったです)。
無事、婚姻届と婚姻受理証明書をゲットして終了、私はここで安心してしまいました。
が!実はここでもうひとつしなければならなかった事があったのです。
日本で結婚手続きをしたところで、私だけ既婚者でドイツでは彼は独身のまま。
それはダメでしょ~。ドイツでも婚姻届けを申請しなければ。
ドイツでの婚姻届けには、アポスティーユ付き、公認翻訳士のドイツ語翻訳済みの「婚姻受理証明書」が必要だったのです。
ドイツに行ってから気が付きました。
※Würzburg(ヴュルツブルク)市役所の指示ですので、何が必要かはその地域の役所に確認してください。
ドイツから日本の書類にアポスティーユを付けるには
本来なら、日本にいる間に外務省で「婚姻受理証明書」にアポスティーユを付けてもらって、ドイツ語翻訳してもらっておけば良かったのですが(時間がなければアポスティーユだけでも!ドイツ語への翻訳はドイツにいる翻訳士に依頼すればいいですが、アポスティーユ付与申請は日本の外務省でしか出来ず、海外からは直接申請ができないのです。
直接できないということは、ドイツから書類を日本の外務省に郵送して、外務省からドイツまで返送してもらう、ということはできないのです。
詳細は外務省アポスティーユ説明ページにて)
まぁ、私は後の祭りということで。お金はかかりますが日本の行政書士に代理依頼しました。
実家に頼んでも良かったのですが、あまり負担はかけたくなかったのと間違いのモトになりそうだったのでプロに依頼。
流れとしては、日本で取得した日本語の「婚姻受理証明書」を私(ドイツ)から日本の行政書士宛に郵送し、代理でアポスティーユを申請・付与をしてもらいドイツへ返送、となります。
ドイツ語への翻訳はドイツで依頼することにしました。
行政書士さんもいくつかありまして、何社か見積りをお願いしたのですが、まぁ色々です。
頓珍漢な答えが返ってくるところ、返答が遅いところなどあり、結局私は、HPに「アポスティーユ代理取得」と堂々と記載があり、代表の方の顔写真が掲載されていて、分かってらっしゃるな、といった返答をくださった「株式会社カットベル」さんにお願いしました。
滞り無く、こちらが発送してから約20日ほどで手元に届きました。支払いはPaypalで。
東京都内で依頼なら「株式会社カットベル」さん、おすすめです。
返送されてきたアポスティーユ付きの「婚姻受理証明書」を翻訳依頼
アポスティーユ付きの「婚姻受理証明書」が手元に届いたので、それをドイツ語翻訳依頼します。
夫に、公認翻訳士(日本人女性)に翻訳を依頼してもらいました。
ここでも問題!
この翻訳士が遅いのか忘れていたのか夫も気にかけていなくて、待てど暮らせど翻訳が上がってこない。
たまにどうなってるの?と夫に聞いてみるも「メールしてみる」と言ってそのまま。
そんなこんなで入国から3ヶ月が経とうとしていて、このままじゃ配偶者VISAも取得できず国外追放になっちゃう!
ただでさえ入国して日も浅くプチ情緒不安定になっている状態で、いい加減おだやかな私もキレそうに。
年末ギリギリになってやっとこさ翻訳届く。しかも宛名の名前にミス。
こ…この翻訳士どうなってんの?軽い震えが起こる。
日本で依頼したドイツ人翻訳士ツッキーさんは1週間以内に仕上げてくれて、ドイツにいるこの日本人翻訳士は約2ヶ月放置(というか忘れていたのか)?
日本人としての仕事魂はいずこへ!?
ドイツで婚姻届 申請
やっと届いたドイツ語に翻訳済みのアポスティーユ付き「婚姻受理証明書」と私のパスポートを持ってWürzburg(ヴュルツブルク)市役所へ。
とってもあっという間に申請は完了しました。あぁ…、今までのあのイライラは何だったのか。
まぁ、とにかく申請できて良かったです。配偶者VISA(正確には滞在許可証)も申請し追放はまぬがれました。
でも本当にギリギリだったんです…。